2013-09-18

ゲーマーyugereのゲームの記憶　「グランディア」

２代目３代目は面汚しと大体昔から相場は決まってますが、往年の超大作『グランディア』においても、例外ではありませんでした。

今回題目に上げる、「グランディア」という作品は、数ある私がプレイしたゲームの中でも、３本の指に入るほど思い出深く、今でも心に残っている大変お気に入りの作品です。

最初に世にお目見えしたのは、忘れもしません、1997年。セガサターンという今は亡き据え置きゲーム機から発売されたものです。

当時のセガサターンは、ソニーの排出した、今となっては4代目が出ようかというプレイステーションと顧客の取り合いをしていました。

当時のセガサターンは、コアなゲーマーに人気のアーケイドゲームが多い反面、RPGなどのコンシューマゲームは貧弱とされていました。

ドラクエやFF等、そうそうたる顔ぶれが、プレイステーション側に付く中、万を待して発売されたのが、本作。

発売当時のキャッチコピーは、『忘れられない冒険になる…… これがシネマティックRPG』というもの。

大抵の商品がヒットするかは、キャッチコピーと密接に関わっていると思っているのですが、このキャッチコピー、ともすれば名前負けしてしまいそうなほど大層なものです。

それでも、そのキャッチーな響きに心踊らされたのは、決して私だけではないはず。

そしてまた、その言葉に裏切られなかったのも、私だけではないはずです。

本作で題材とされているのは、いわゆるボーイミーツガールな展開によるもので、今となってはプレイしていて恥ずかしくなるくらいベタベタな超王道なＲＰＧです。

言うなれば、ずっと探していたものをやっと見つけた時のような感覚に近いものがあり、プレイしていてとても安心感が得られます。

本作が成功した背景には、シンプルな丁寧な作りこみを感じられるゲームシステムと、作られた仮想のゲーム空間の中で確かに生きている、個性的で魅力あるキャラクターたち、単に勧善懲悪ではない敵対する者達にもスポットを当てた人物相関、そして何より、それを包括する作り手側の作品に対する愛情を感じられることがあげられると思います。

酷い物言いをしますが、グランディアという作品はＲＰＧが少ないサターンだからこそ評判だった、と思っています。

それでも、実際にプレイした人にしか分からない感覚は、あのゲームには確かにありました。

レベル上げをしないと進めない骨太な的設定も、ネタイベント山盛りでキャラ達の暴走も、凡百ＲＰＧとなるポテンシャルも十分に備えているはずなのに、ゲームをやり切った人にとっては大切な思い出となっているのですよ。

私は、それらのマイナス要素さえも等身大の少年の成長記録として包括されてしまっているように思うのです。

良いゲームだったなぁと今でも思えるのは何故か。

それは、先進的なシステムでも、斬新な世界観でも、美麗なグラフィックでもない、主人公を自分の少年期と重ねあわせ、敵味方問わず様々な登場キャラ達と一緒に冒険し、一人の冒険者の成長の記録を追体験しているという感覚にあると思います。

やんちゃで無鉄砲、ただ冒険者に憧れるだけだった少年が、挫折したり、空回りしたり、恋をしたり、それでも夢に向かってひたむきに歩み続けることで、成長していったという等身大の記録。これこそがＲＰＧの真髄とも言えるでしょう。

以上が、グランディアファンによるグランディアの魅力についての個人的考察でした。

つづく（…かも？）